日本創造 古事記
神世のこと
日本の起源を書き記したものに「古事記」が有る。身近な所では、村社などの神社の神楽がこの「古事記」をもとにして作られているのをご存じでしょうか。「古事記」というと敷居が高いように思いがちだが、「神楽」と言えば皆さん子供の頃から親しんできたと思います。結構「神楽」は、「古事記」にのっとて踊られているものです。近所の神社に、お祭りの時出かけてみるのも面白いかも知れません。
天地開闢(てんちかいびゃく))
天地のはじまりに最初に出現したのが、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)が出現した。この意味は、「天の中心を支配する神」という。次に、高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)、そして神産巣日神(カミムスヒノカミ)が現れる。この三神は、「造化の三神」という。この三柱(みはしら)神は性別は無く、現れたと思うとすぐに消えたという。つまり天を、作る為に現れた神と言うことですかね。この次に現れたのが、宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)と天之常立神(アメノトコタチノカミ)この二柱(ふたはしら)の神もしばらくして消えてしまったという。この世界の始まりに現れた五柱の神を、「別天津神(コトアマツカミ)と呼び、男女の区別は無かったという。
次に出現する神は、国之常立神(クニノトコタチノカミ)と豊雲野神(トヨクモノノカミ)で、この二柱も男女の区別は無かったという。この二柱の神も現れてすぐに消えたという。続いて、男女対の神が出現する。宇比地邇神(ウイジニノカミ)と須比智邇神(スイジニノカミ)である。前者が男神で後者が女神の順で、以下同じで省略する。次が角杙神(ツノクイノカミ)と大斗乃弁神(オオトノベノカミ)で次が、於母陀流神(オモダルノカミ)と阿夜訶志古泥神(アヤカシコネノカミ)そして、伊邪那岐神(イザナキノカミ)と伊邪那美神(イザナミノカミ)が誕生する。これらの神を「神世七余代(カミヨナナヨ)」という。
「古事記」に見る三つの世界
「古事記」では、「高天原(タカマガハラ)」神々が暮らす世界と「芦原中国(アシハラノナカツクニ)」人間が暮らす地上世界、「根の国(ネノクニ)」・「黄泉(ヨミ)」地下にある死後の世界と三つの世界があるとしている。「高天原」の場所については、幾つか説があり常陸国(茨城県多賀郡)、大和国(奈良県御所市)、長崎県壱岐市、宮崎県高千穂町、宮崎県高原町と五箇所が候補としてある。江戸時代の国学者、新井白石は常陸国と主張していた。
次回は、イザナキとイザナミの国土創生神話を紹介したいと思います。