吾妻33番観音霊場 第11番岩水山行澤寺
この写真は現物ではありません。
馬頭観音菩薩は他の観音が女性的で穏やかな表情をしているのに対して、目尻をつり上げ怒っているという表情である。憤怒相の守護尊として明王に分類される。「馬頭」という名称から、民間信仰では馬の守護仏として祀られる。さらには、馬だけでなく畜生類を救う観音ともされていて、「六字経」を典処として呪詛を鎮めて六道輪廻の衆生を救済するという「六観音」に於いて、畜生道を化益する観音と言われている。
さて、この行澤寺の馬頭観音である。多くの馬頭観音が石仏であるのに対して、ここの馬頭観音は木造立像である。昭和56年に京都で修理され、作られたのは鎌倉時代に遡るのではないかと言われている。高さは2mもあろうかという素晴らしいものである。また、造りに関しても木像として完成された美しさも感じられる。大変珍しく、また貴重であると言えると思います。現在群馬県指定重要文化財、東吾妻町指定重要文化財となっています。
令和2年9月9日、東吾妻町教育長、社会教育課長、文化財保護係2名と社会教育科員1名、行澤寺管理者、行沢区長と私の8名で見させてもらいました。奥の馬頭観音は普段扉が閉められ、前面の小さな馬頭観音を拝みます。この馬頭観音を直接見ると、目が潰れると言われてきました。この本堂の他に昔は祈祷所があり、お坊さんが居たと言われている。この近くに青龍寺跡というお寺の跡もあり、このお堂の上には天狗さんが祀られさらに山頂には奥の院があるという。これを考えると鎌倉時代から、この地域には力を持った国人がいたと言うことになると思います。これが、この地の伝説にある吾妻太郎なのかも知れません。